ARCHITECTURE/DESIGN/CONSULTANT

三角屋根の家

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用途   個人住宅
場所   香川県高松市
規模   90㎡・2階建
構造   在来木造

■ 全室キリ向き

密集市街地の南北に深い長屋の建替え。敷地中央に座っていた大きなキリの木を手がかりに、南面信仰に正面から乗っかってみることにした。すなわち、冬至の太陽高度の勾配屋根を掛け、内部を大きなワンルームのように構成することで、リビング・寝室・客間から浴室、果ては北側の道路に至るまで、全ての居住空間を南向きに設えている。女の子が産まれたら嫁入りに備えてキリの木を植えるという話を聞いたことがあるが、ここでは何故だか嫁入り後も切られることなく大きく育っていた。初めて敷地を見た5月には可愛らしい紫の花を満開に咲かせていたから、キリと同級生の施主にその場でお願いをして、シンボルツリーとして残して全ての階から望めるように提案させて頂いた。落葉樹を南に据えた断面形状は、非常に環境性能が高い。落葉した冬は、北側深くまで陽光が差し込んで家ごとサンルームのように明るく暖かい。日差しのきつい夏は、大きなキリの葉が日除けとなり、頂部の窓を開放すると煙突効果で熱気が排出されていく。全室キリ向きの三角屋根は、とても普遍的で理に叶った計画なのである。

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